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2009年4月16日

自分で書いた遺言書は危険がいっぱい

自分で書いた遺言書は危険がいっぱい
「特別な人に財産を譲りたい」「遺言書相談したいという方」
エンディングノートで自分の遺言を考えましょう。

【遺言書とは何か?】
生前、特にお世話になった人や相続人でない親族(孫、長男の妻など)などに自分の財産を残したい、法定相続の割合と異なる遺産の分配を望む、不動産や自社株など価値の評価や分割が困難なものがあるとき、相続人間で争いが起こりそうな場合に遺言書は遺産を特定の人に遺し、紛争発生の防止もし、あなたの最終意思を法的に実現してくれます。

こんな人は遺言書作成を考えましょう

こんな人は遺言書作成を考えましょう1.配偶者・子供がいない方
この場合、相続財産は国庫に帰属し貴方の財産が国のものになってしまいます。遺言書を作成して、慈善団体に寄付したり、特にお世話をしてくれた方に財産のあげる方が増えています。

2.老後の面倒を看てくれた子供に多くの財産を譲りたい方
遺言書がないと法定相続で分割となり、面倒を看てくれた子とそうでない子が法律上同じ割合で財産を取得することになります。

これだと不公平なので遺言書にて面倒を看てくれた子に多く財産を譲る遺言書を作成しましょう。

3.両親も子供もいなく、仲の悪い兄弟姉妹がいる場合

この場合、兄弟姉妹が相続人になります。自分の大切な財産を仲の悪い兄弟姉妹に分割されるのは気分的に面白くないはずです。

この場合は、仲のよい兄弟姉妹や特別に世話になった人に財産を譲るといった内容の遺言書を作成しますよう。

遺言書の種類

ここでは一般的に利用される「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」についてご説明します。

自筆証書遺言・・・
遺言者自身が遺言の全文を自分で書く方式の遺言。

民法では全文、日付、氏名をすべて自書し、これを押印することによって有効に成立します。(民法968条1項)自筆証書遺言は紙とペンがあれば、1人で簡単に作成できます。ところが次の問題点が発生します。

<問題点>

1. 法律の要件を満たしていない遺言書を作成してしまい、遺言書が無効となる
2. 一人でも作成できるので、死後遺言書が発見されない場合もある
3. 第三者に遺言の内容を改ざんされるおそれがある
4. 自筆証書遺言は、相続手続きにおいて家庭裁判所の検認手続きが必要となる。この検認手続きは、遺言書に記載されていない相続人も裁判所に呼び出しを受けます。当然、自分の財産が減ったりもらえないとなると必ず紛争へと発展します。

公正証書遺言・・・
遺言者が、証人2人以上の立会いのもと、公証人に遺言の趣旨を口授し、公証人がこれを筆記した内容を遺言者および証人に読み聞かせ、遺言者および証人がその筆記が正確であることを承認した後、各自署名、押印し、さらに、公証人が方式に従って作成された旨を付記して署名、押印することによって成立する遺言書です。(民法969条)

当事務所は公正証書遺言の作成をお勧めしています。

<お勧めの理由>
1.当事務所と公証役場が専門化としてアドバイスするかので、法律上間違いのない遺言書が作成される
2.遺言は公証役場にも保管されるので、遺言の存在・状態も明確で、紛失、変造、偽造のおそれがない
3.家庭裁判所の検認手続きが不要
4.遺言執行者を専門家にしておけば、煩雑な相続手続きもきちんと行ってくれる
5.証人2人が見つからない場合は、当事務所のスタッフが代わりに証人となります

遺留分について

遺留分について遺留分とは、兄弟姉妹を除く法定相続人は、被相続人の財産の一定割合を確保できる権利・地位のこと。例えば、遺言書で特定の子だけに財産を全て譲るとした場合、まったく財産がもらえないその他の子は法律上定められた遺留分を請求することができます。

遺留分の率      
1. 直系尊属(父・母・祖父母・曽祖父母)のみが相続人であるとき
  被相続人の財産の3分の1(民法1028条1号)

2. その他の場合
  被相続人の財産の2分の1(民法1028条2号)

例えば、被相続人の相続財産が3000万円、相続人が子3人、そのうちの子の1人がまったく遺産をもらえない場合の遺留分は

3000万円÷3人=1000万円(法定相続における財産割合)
1000万×1/2(遺留分の率)=500万円

よって、遺言書でまったく親の財産をもらえないとされた子は、500万円の遺留分を主張、請求できます。

このように遺言で法定相続分と異なる相続分を定めることができるとされ(民法902条1項)遺贈の自由も認められていますが(民法964条)完全に自由ではありません。遺留分の規定があるので遺留分に関する規定に違反することはできないとされています。(民法902条但書、964条但書)

遺留分減殺請求権とは

遺留分を侵害する遺贈または遺贈がなされたとき、遺留分権利者は侵害された遺留分を請求できます。(民法1031条)
上記の例でいうと遺留分を請求できる人物はまったく遺産がもらえない子で、請求の相手は法定相続より多く財産を取得した相続人2人となります。

遺留分の請求方法と期限

遺留分の請求方法と期限遺留分の請求は訴訟提起が必ずしも必要でなく、相手に対して口頭で行うことも可能です。

ただし、遺留分減殺請求権の消滅時効が遺留分を侵されたことを知った時から1年、また相続開始から10年経過すると権利を侵されたことの認識の有無に関係なく時効消滅します。このように消滅時効制度がありますので、相手に請求を受けていないと言われないためにも、請求は内容証明郵便で行うことが望ましいでしょう。

遺言書を作成する時は、この遺留分に注意して内容を考えないと後々トラブルの原因となります。ただし、兄弟姉妹には遺留分の権利がないので気にせず内容を考えてください。

特別受益と寄与分

特別受益とは、生前、被相続人から特別の援助を受けた場合(商売の資金援助、マイホーム資金など)に、これを無視して、相続分を計算すると相続人間で不公平が生じます。

そこで、生前にもらった分は、相続分の前渡しとして分割手続きの際には計算に入れ、その人の相続分から贈与の価格を差引くようにします。

特別受益と寄与分例として、相続人は配偶者(妻)と長男と次男がいるとします。
長男にのみ、生きている間に、マイホーム資金として1000万円を贈与していて、次男には、贈与はなかったとします。そして、遺産が3000万円だった場合、3000万円に1000万円を足した、4000万円を分割する相続財産として、遺産分割します。

これを、法定相続分でわけると、妻が1/2の2000万円、長男が1/4の1000万円、次男が1/4の1000万円となります。しかし、生前、長男が1000万円のマイホーム資金の提供を受けていたので、これを差し引きます。したがって、長男の相続分は0円ということになります。特別受益分が最後に差し引かれます。

ただし、マイホーム資金が1500万円で遺産が3000万円だった場合は、長男は上記計算では-500万円となりますが、すでに受取った特別受益が法定相続分を超える場合でも、その超えた分は返還する必要はありません。(民法903条2項)

寄与分とは、被相続人の仕事を手伝って被相続人の財産増加に貢献した相続人や長年介護をして面倒を看てきた相続人がいる場合に、これを無視して相続分を計算するのは不公平になります。そこで寄与分を相続財産から除いて計算します。

相続人が配偶者(妻)、長男、次男の3人の家族で、長男は被相続人の商売を手伝い1000万円の寄与分があるとします。

そして、遺産が、3000万円だった場合、3000万円から1000万円ひいた、2000万円を分割する相続財産として、遺産分割します。

これを、法定相続分でわけると、妻が1/2の1000万円、長男が1/4の500万円、次男が1/4の500万円となります。しかし、ここで、長男は寄与分の1000万円を足した1500万円を受取ることが可能になります。寄与分は最後に上乗せします。

紛争にならないために、特別受益や寄与分は遺言書に書いておくことをお勧めします。そうしないと相続手続きの際に、あの時お前は生前に沢山財産をもらったはずとか、親の仕事なんか手伝っていないとか他の相続人からクレームがでます。特に大きな金額の財産や長年の介護や家業の手伝いなどはきちんと記載しておきましょう。

遺言執行者は、ぜひとも専門家に依頼しましょう

遺言執行者は、ぜひとも専門家に依頼しましょう遺言執行者とは、相続が発生した時に相続人に相続が発生したこと知らせ、遺産を調査して財産目録を作成し、遺言の内容にしたがった手続きを行う人物です。

この執行人が、相続手続きに関するすべての事務を取仕切り、各相続人と連絡・協議しながら手続きを行っていきます。

場合によっては、相続人が一度もあったことのない親族(前妻・前夫の子など)が相続人となることもあり、相続が発生して初めて自分に他の兄弟姉妹がいることを知ることもあります。このようなケースでは、いきなり相手に相続の連絡をするのは難しいものです。そんな時は、我々のような専門家に依頼しおけば第三者とて相手と連絡も行えます。

また、相続手続き自体が難しく面倒な作業ですので、残された相続人が困らないためにも遺言執行者は専門家に依頼しましょう。


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